関数の変換



関数と方程式の区別が私にはいまいち判らないのですが、f(x)=y を関数と言い、f(x)=0 を方程式と呼ぶのかと理解しています。ですから、私の扱うのは関数になるようです。

さて、関数の変換法則を知っていると非常に便利であることが判ってきました。そこで、今まで使った変換を整理しておくことにします。

1)      1/f(n)=g(n)
su(r) 公式を導く過程で1/f(n) の式は無くてはならないものでした。これは他の関数に応用しても面白い現象を見つけることが出来ます。

1/(1+1/n+1/n^2+1/n^3+1/n^4....) = 1-1/n であるとか、
1/(1+1/n+1/2!/n^2+1/3!/n^3+1/4!/n^4....) = 1-1/n+1/2!/n^2-1/3!/n^3+1/4!/n^4-... となるなどです。

そこで、再度、この公式の導き方と、計算方法について説明しておきます。

1/(1+a1/n+a2/n^2+a3/n^3....)=1+b1/n+b2/n^2+b3/n^3+... となるように a1,a2,a3.., b1,b2,b3...を定めます。
すると、
1=(1+a1/n+a2/n^2+a3/n^3...) * (1+b1/n+b2/n^2+b3/n^3...) ですから、これを計算しますと、
1=1+1/n*{b1+a1}+1/n^2*{b2+a1*b1+a2}+1/n^3*{b3+a1*b2+a2*b1+b3}+..... となります。

つまり、
b1=-a1
b2=a1^2-a2
b3=-a1^3+2*a1*a2-a3
b4=a1^4-3*a1^2*a2+2*a1*a3+a2^2-a4
b5=-a1^5+4*a1^3*a2-3*a1^2*a3-3*a1*a2^2+2*a1*a4+2*a2*a3-a5

この先を計算することは、物理的にはどこまでも可能ですが、結構大変です。

それをサボるには、項目発現法則と、項目数の法則を知っている必要があります。

b6の場合、まずは a1, a2, a3, a4, a5, a6 と並べておきます。項目番号の合計が一定になるように組み合わせるのですが、a1+a1+...と6個並べると合計が6になります。これがa1^6ということです。a1^4*a2と並べると番号の合計は6です。a1^3*a3も合計が6になり、a1^2*a4、a1*a5も6であることはすぐに判ります。間違いやすいのは、a4のところにa2^2が来ても成り立つと言うことです。ですから、a1^2*a2^2も項目として挙げなければなりません。a1*a2*a3も合計が6です。あとは、a6もあることを忘れてはなりません。

結局、b6の場合の項目を総て並べると、a1^6, a1^4*a2, a1^3*a3, a1^2*a4, a1^2*a2^2, a1*a5, a1*a2*a3, a2^3, a2*a4, a6 となります。

次にそれぞれの項目数を決める法則を見つける必要があります。これは累乗数の合計が基礎になっています。たとえば、たとえば、b5の式にa1*a2^2という項目がありますが、その項目数は-3です。これを求めるには、a1が1累乗、a2が2塁乗ですから、r=1+2 として、3!/(1!*2!)が答えになります。3!は奇数ですからマイナスと判定されます。つまり-3で、式の実際の項目数と一致します。b6の場合、a1^3*a3がありますが、この場合は、a1^3*a3^1と考えて、3+1が累乗数の合計となります。これが分子となり、分母はそれぞれの累乗数です。つまり、4!/(3!*1!)=4となります。4!は偶数なので、符号はプラスとなります。

少し大きな数で説明してみると、たとえば、a1^4*a2^2*a3^3*a4^1などの事例では、4+2+3+1=10 が基本となります。これが分子となり、分母はそれぞれの累乗数ですから、項目数はつまり、10!/(4!*2!*3!*1!)=12600 となります。10!は偶数ですから、符号はプラスです。

項目を凡てもれなく挙げるのは、時に間違うこともありますので、気を付けなければなりません。項目さえ確定すれば、項目数の計算は難しくありません。それでは、練習としてb7の項目を総て挙げてみてください。私なりにやってみましたが、a1^7, a1^5*a2, a1^4*a3, a1^3*a4, a1^3*a2^2, a1^2*a5, a1^2*a2*a3, a1*a6, a1*a2*a4, a1*a3^2, a7 となりました。こんな具合です。


この公式にいろいろな方程式を当てはめてみましょう。
中でも非常に重要なのは、
1/(1+1/2n+1/3!n^2+1/4!n^3+1/5!n^4.. )=1-1/2n+1/12n^2+0-1/720n^4+0+1/6!42n^6+0... となることです。これは、su(n) と関連しています。つまりは、ベルヌイ数とも関連すると言うことです。-1/2/nの項目がマイナスとなっているところは、ベルヌイ数に近いと言えます。

1/(1-1/2n+1/3!n^2-1/4!n^3+1/5!n^4... ) = 1+1/2n+1/12n^2+0-1/720n^4... も最初の項目がプラスに変わっただけで、上記の式とよく似た形が現れます。これは、ベルヌイ数より、su(n)に近い形をしています。


その他、以下のような式があります。

1/(1-1/n+1/n^2-1/n^3+1/n^4... )=1+1/n




参考までに再度書き直して載せておきます。

b1 = - a1

b2 = a1^2 - a2

b3 = - a1^3 + 2a1*a2 - a3

b4 = a1^4 - 3a1^2*a2 + 2a1*a3 + a2^2 - a4

b5 = - a1^5 + 4a1^3*a2 - 3a1^2*a3 - 3a1*a2^2 + 2a1*a4 + 2a2*a3 - a5

b6 = a1^6 - 5a1^4*a2 + 4a1^3*a3 - 3a1^2*a4 + 6a1^2*a2^2 + 2a1*a5 - 6a1*a2*a3 - a2^3 + 2a2*a4 +a3^2 - a6

b7 = - a1^7 + 6a1^5*a2 - 5a1^4*a3 + 4a1^3*a4 - 3a1^2*a5 + 2a1*a6 +4a1*a2^3 + 12a1^2*a2*a3 - 6a1*a2*a4 - 10a1^3*a2^2 + 2a2*a5 + 2a3*a4 - 3a2^2*a3 - 3a1*a3^2 - a7

b8 = a1^8 - 7a1^6*a2 + 6a1^5*a3- 5a1^4*a4 + 4a1^3*a5 -3a1^2*a6 + 2a1*a7 +15a1^4*a2^2 - 20a1^3*a2*a3 + 12a1*a2^2*a3 + 12a1^2*a2*a4 - 6a1*a2*a5 + 2a2*a6 - 10a1^2*a2^3 + 6a1^2*a3^2 - 6a1*a3*a4 + 2a3*a5 + a2^4 - 3a2^2*a4 + a4^2 - 3a2*a3^2 - a8

b9 = - a1^9 + 8a1^7*a2 -7a1^6*a3 + 6a1^5*a4 -5a1^4*a5 + 4a1^3*a6 - 3a1^2*a7 + 2a1*a8 - 21a1^5*a2^2 + 30a1^4*a2*a3 - 20a1^3*a2*a4 - 10a1^3*a3^2 + 20a1^3*a2^3 + 12a1^2*a2*a5 + 12a1^2*a3*a4 - 5a1*a2^4 + 4a2^3*a3 -30a1^2*a2^2*a3 + 12a1*a2*a3^2 + 12a1*a2^2*a4 - 6a1*a2*a6 - 6a1*a3*a5 - 3a1*a4^2 + 2a2*a7 + 2a3*a6 + 2a4*a5 - 3a2^2*a5 - a3^3 - a9





























2)      f(n)=e^(g(n))

f(n)=e^(g(n))と置いて、f(n)とg(n)の関係を調べてみました。これも、n!とlog(n)の変換の際に使う重要な公式です。

f(n)=1+a(1)/n+a(2)/n^2+a(3)/n^3+.... とします。
g(n)=b(1)/n+b(2)/n^2+b(3)/n^3+..... とします。

すると、普遍的に以下の関係が成り立ちます。
b(1)=a(1)
b(2)=1/2*{-a(1)^2+2*a(2)}
b(3)=1/3*{a(1)^3-3*a(1)*a(2)+3*a(3)}
b(4)=1/4*{-a(1)^4+4*a(1)^2*a(2)-4*a(1)*a(3)-2*a(2)^2+4*a(4)}
b(5)=1/5*{a(1)^5-5*a(1)^3*a(2)+5*a(1)^2*a(3)+5*a(1)*a(2)^2-5*a(1)*a(4)-5*a(2)*a(3)+5*a(5)}

以下、計算をすればいくらでも表を増やすことが出来ます。しかし、それも面倒なので、項数の法則を見つけておきました。
まず、b(r) において、a(1)、a(2)、a(3)... のすべての項目番号の合計が r になるという条件のもとに並べます。
項目数は、やや説明が複雑になりますが、a(1)^4*a(2)^2*a(4) などを例に取りましょう。この時、それぞれの番号をひとつ除いた項目に注目します。つまり、a(1)^3*a(2)^2*a(4)、a(1)^4*a(2)*a(4)、a(1)^4*a(2)^2 という3つの項目が出てきます。これをすでに計算した b(r-1) などの項目の中から探し、その項目数を合計したのが答えとなります。符号は逆になります。つまり、項目符号は、その項目の累乗合計が偶数の時はマイナス、奇数の時はプラスになります。

このやり方で b(6) を求めてみましょう。
並べるべき項目の種類は、a(1)^6 a(1)^4*a(2) a(1)^3*a(3) a(1)^2*a(4) a(1)*a(5) a(6) a(1)^2*a(2)^2 a(1)*a(2)*a(3) a(2)^3 a(2)*a(4) a(3)^2 の11個で、これで凡てです。それぞれの項目は、それ以前の項目を見逃さないように探してきて、その項目数を合計したもので、符号は前記のとおりです。つまり、

b(6)=1/6*{-a(1)^6+6*a(1)^4*a(2)-6*a(1)^3*a(3)+6*a(1)^2*a(4)
-6*a(1)*a(5)+6*a(6)-9*a(1)^2*a(2)^2+12*a(1)*a(2)*a(3)+2*a(2)^3-6*a(2)*a(4)-3*a(3)^2

しかし、これも、思ったより面倒です。

この公式を使うと、すべての f(n) を e^(g(n)) に変換することが出来ます。

重要な応用例が、n!=(n/e)^n*....{1+1/12/n+1/288/n^2+....} の式です。
この中の {1+1/12/n+1/288/n^2......} を1)で変換したものが、
e^{1/12/n-1/360/n^3+1/30/42/n^5-1/56/30/n^7...}
という式です。これが su(r) で表現できることはすでに述べました。


その他の式は以下の通りです。

(n+1)^(n+1)=n^(n+1)*e^(1+1/2n-1/(2*3*n^2)+1/(3*4*n^3)-1/(4*5*n^4) ....)
(n-1)^(n-1)=n^(n-1)*e^(-1+1/2n+1/(2*3*n^2)+1/(3*4*n^3)+1/(4*5*n^4)....)
√(1+1/n)=e^(1/2n-1/4n^2+1/6n^3-1/8n^4.....)
1+1/n+1/2!n^2+1/3!n^3+1/4!n^4+.......=e^(1/n)
1+1/2!n+1/3!n^2+1/4!n^3+....=e^(su(1)/n+su(2)/2n^2+su(4)/4n^4+su(6)/6n^6....)
1+1/2n=e^(1/2n-1/8n^2+1/24n^3-1/64n^4+1/160n^5....
1+1/2n+1/12n^2-1/6!n^4+1/6!42n^6...=e^(1/2n-1/(2*12*n^2)+1/(4*720*n^4)-1/(6*6!*42*n^6) ....



3)      log(f(n))=log(e)*g(n)

この公式は2)の逆演算となっています。

log(1+a1/n+a2/n^2+a3/n^3+a4/n^4....)=log(e)*(b1/n+b2/n^2+b3/n^3+b4/n^4.....) となるように、a1、a2、a3、b1、b2、b3を定める。この場合のaとbの関係は、
b1=a1
b2=1/2*{-a1^2+2*a2}
b3=1/3*{a1^3-3*a1*a2+3*a3}
b4=1/4*{-a1^4+4*a1^2*a2-4*a1*a3-2*a2^2+4*a4}
b5=1/5*{a1^5-5*a1^3*a2+a1^2*a3-a1*a4+a1*a2^2-a2*a3+a5}
b6=1/6*{

となります。
項目と項目数は、順番に計算してゆけば良いのですが、項目の並び方には法則があります。

たとえば、b5のとき、a1^5、a1^3*a2、a1^2*a3、a1*a4、a1*a2^2、a2*a3、a5の7項目が現れます。それぞれの項目数は、それぞれの項目内の要素を一つ除いた項目がb4、b3などに現れていますので、その項目数の合計にプラスマイナスの符号を替えたものが答えです。

実際にやってみましょう。
a1^5はa1^4だけですから、b4式にあるa1^4の項目数を見ると-1ですから、この符号を変えて1となります。これが答えです。
a1^3*a2は、a1^2*a2、a1^3のふたつがありますので、b4式のa1^2*a2の項目数は4、a1^3の項目数は1ですから、合計は5となり、符号を変えて-5となります。
a1^2*a3は、a1*a3とa1^2の項目数を調べ、それぞれ-4、-1ですから、合計は-5で、符号を変えて5が答えとなります。
a1*a4は、a1とa4ですから、1と4で、合計は5となり、符号を変えて-5となります。
a1*a2^2は、a1*a2とa2^2ですから、-3と-2ですから、合計は-5となります。符号を変えると5です。
a2*a3は、a2が2、a3が3ですから、合計は5で、符号を変えて-5となります。
a5は、初出ですから5となります。

b6の場合もやってみましょう。
a1^6、a1^4*a2、a1^3*a3、a1^2*a4、a1*a5、a1^2*a2^2、a1*a2*a3、a2^3、a2*a4、a3^2、a6の11項目となります。
a1^6は、a1^5が1ですから、符号を変えて-1となります。
a1^4*a2は、a1^3*a2とa1^4ですから、-5と-1の合計で-6となり、その符号を変えると6となります。
a1^3*a3は、a1^2*a3とa1^3ですから、5と1で、合計6となり、符号を変えて-6となります。
(以下略)


この公式を使うと、いろいろな形のlog(f(n))を変換することが出来ます。
log(1+1/n+1/n^2+1/n^3+1/n^4....)=log(e)*(1/n+1/2n^2+1/3n^3+1/4n^4....)
log(1+1/n)=log(e)*(1/n-1/2n^2+1/3n^3-1/4n^4....)
log(1+1/n+1/2!n^2+1/3!n^3+1/4!n^4....)=log(e)*(1/n)
log(1+1/2!n+1/3!n^2+1/4!n^3+....)=log(e)*(1/2n+1/24n^2+0-1/2880n^4+0+1/181440n^6...


3)      f(n)^r

f(n)=a1+a2+a3+a4+a5+a6...... と置いたとき、f(n)^rがどうなるかという問題です。

(a1+a2)^2=a1^2+2*a1a2+a2^2
(a1+a2)^3=a1^3+3a1^2*a2+3a1*a2^2+a2^3
以下略

となるので、(a1+a2+a3)^r も並べてみました。
(a1+a2+a3)^2=a1^2+a2^2+a3^2+2(a1a2+a1a3+a2a3)
(a1+a2+a3)^3=a1^3+a2^3+a3^3+3(a1^2*a2+a1^2*a3+a2^2*a1+a2^2*a3+a3^2*a1+a3^2*a2)+6a1*a2*a3

(a1+a2+a3+a4)^r も並べてみると判りますが、a1,a2,a3...の組み合わせ方により項数が決まってきます。つまり、a1,a2,a3....の中からいくつかを選び、a1^(r1),a2^(r2),a3^(r3).....で、r1+r2+r3....=rとなるようにr1,r2,r3を定めます。すると、項数はr!/(r1!*r2!*r3!*r4!.....)となります。そのすべての組み合わせを合計したものが答えとなります。




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