ベルヌーイ数についての纏めと追加



ベルヌーイ数(Bernoulli number)は、当初私が理解したよりずっと重要な数のようなので、これについてはここで纏めておくことにします。前ページの内容と重なるところもありますが、その点はお許しください。

私の発見したsu(n)の数列と、ベルヌーイ数との違いは、表記の仕方以外では、B(1)、su(1)のプラス・マイナスが違うことです。この違いには深い意味があるのですが、当面あまり問題ではないので、表記の違いだけを確認しておきます。

(付記)   数学書によってベルヌーイ数の定義が異なっているのはどうしてなのでしょうか。山口周先生の「整数論」では、B1=1/6, B2=1/30, B3=1/42, という具合に、偶数番のみを取り上げるだけでなく、プラスマイナスまで無視しています。小林昭七先生の「なっとくするオイラーとフェルマー」では、B1=1/2, B2=1/6, B4=-1/30, B6=1/42, とプラスマイナスを付けているのは普通ですが、何と・・・B1=1/2 となっていました。ミスプリントでしょうか?こんな重要なところが違っているとは驚きです。厳密さを重んじる数学にこのような混乱があること、しかも、そのことについて何ら但し書きも、注意書きも書かれていないことは呆れてものが言えません。
(付記 その2)   数学辞典(朝倉書店)「ベルヌイ数」によると、「最初の表記法では、B(1)=1/6, B(2)=1/30, B(3)=1/42, B(4)=1/30, ・・・ 」と書かれていました。これはつまり、ベルヌーイ自身が使った表記ではこうなっていたと言うことでしょうか。すると安易にマイナス符号を付けて、ベルヌーイ数と呼ぶわけにもいかなくなりますね。困りましたね。
(付記 その3)   牧野書店「ベルヌーイ数とゼータ関数」(荒川恒男著 2001.7.1 )という本を見つけました。この本はベルヌーイ数を正面から取り上げているので、今後のベルヌーイ数の基本書になるかもしれません。この本の定義は、B(1)=1/2, B2=1/6, B3=0, B4=-1/30, というものでした。この定義の理由が説明してあるので、B(1)=1/2 となっていても問題ありません。しかし、それにしても基本となるべき書物でB(1)=1/2とされてしまうとは、これではベルヌーイ数はsu(n)と基本的に同じ数列となってしまい、su(n)を定義する意味が無くなってしまいます。su(n)の定義が優れていたと言うことでもあるのですが、さて、どう考えたらよいでしょうか・・・。とにかく、B(1)=1/2 という定義も許容されるということは認識しました。ただ、いまのところB(1)=-1/2というのが一般的です。

ベルヌーイ数については、困ったことに書物により数の定義の仕方が異なります。混乱を避けるために、ここでは以下の数列をベルヌーイ数とすることを確認しておきます。

B(0)=1, B(1)=-1/2, B(2)=1/6, B(4)=-1/30, B(6)=1/42, B(8)=-1/30, B(10)=5/66, B(12)=-691/2730, B(14)=7/6, B(16)=-3617/510, B(18)=43867/19/42, B(20)=-174611/330, B(22)=854513/23/6, B(24)=-236364091/5/6/7/13, B(26)=8553103/6, . . . . . . . . . . .

n=1以外の奇数の時はすべて0になるのはsu(n)と同じです。符号がプラス・マイナスと交互に変化することもsu(n)と同じです。


B(n)とsu(n)の関係は、n=1では符号が異なりますが、それ以外は、B(n)=n!*su(n)となっています。参考までに、su(n)を並べてみると、次のようになります。
su(1)=1/2 ,su(2)=1/12, su(3)=0, (以下奇数は略) su(4)=-1/720, su(6)=1/720/42, su(8)=-1/8!/30, su(10)=5/10!/66, su(12)=-691/15!, su(14)=7/14!/6, su(16)=-3617/17!/30, su(18)=43867/19!/42, su(20)=-174611/20!/330 , . . . . . . . . . . .となります。

Σ(1/n)^r、Σn^r がベルヌーイ数で表記できることは数学書に書かれていましたが、それだけではなく、n! も、Σ(1/n) もベルヌーイ数で書けることは、まだ誰も知らないみたいです。(^^) これは強調する価値がありそうで、希望が湧いてきました。 ( n! については付記に書いたように既知の式だったことが判明しました。)

すでに先のページではsu(n)を基本に解説してありますが、ここではベルヌーイ数を基本に再度説明することにより、多くの人のご理解を得たいと思います。

(付記 05/12/08)   「整数論」(山口周著、産業図書、1994)の第9章「Bernoulli数」 p231 にガンマー関数がベルヌーイ数で表現できることが書かれていました。階乗ではなくガンマー関数なのと、自然対数を使って表現しているので、式は異なりますが、実質的には同じです。これが誰によって、どのように発見されたかは書かれていませんでしたが、残念ながら既知の式であったことになります。少しがっかりしましたが、これも仕方ありません。それにしても、あまり知られていないようなので、今後はこのHPを通して、少しは知られる式にしてゆきたいと思っています。
(付記 05/12/16)   数学大公式集(丸善p940 )にもガンマー関数のベルヌーイ数表示が載っていました。結構知られている式なのですね。




ベルヌーイ数はゼータ関数で表示できる

su(r)=2/(2*pi)^r* { 1+(1/2)^r+(1/3)^r+'(1/4)^r+....  }  という式を以前のページに載せてありますが、これをベルヌーイ数で書き直すと、
B(r) = r! * 2 / (2*pi)^r * { 1+(1/2)^r+(1/3)^r+'(1/4)^r+.... }
となります。r!が付加されただけのことですが、B(r)の場合も、奇数の時と、符号は考慮されていません。符号も入れた式を書くことはできますが、それでも奇数まで考慮すると、ひどく面倒なことになります。

これについては、rを実数の範囲に拡張する過程で解決されました。「公式3」のページですでに説明してありますが、結果を再述すると、
su(r) = sin(pi*r/2-pi/2) * 2 / (2*pi)^r * { 1+(1/2)^r+(1/3)^r+'(1/4)^r+.... }
ということですから、これをベルヌーイ数に直すと、
B(r) = sin(pi*r/2-pi/2) * r! * 2 / (2*pi)^r * { 1+(1/2)^r+(1/3)^r+'(1/4)^r+.... }
もしくは、
B(r) = - cos(pi*r/2) * r! * 2 / (2*pi)^r * { 1+(1/2)^r+(1/3)^r+(1/4)^r+....  }
となります。

ただ、困ったことに、これだとB(1)のときだけ符号が逆になってしまいます。おそらくベルヌーイ数に相応しい表記法もあると思いますが、今のところ以上のような結果となっています。


<追加>

ゼータ関数はk(x)としても考えられるので、ベルヌーイ数をk(x)で表すことも出来ます。

B(x) = - x*k(1-x)

非常に綺麗ですね。




Σlog(n)、 n!(階乗) 、ガンマー関数をベルヌーイ数で表すことができる。


Σlog(n)とn!は、基本的には同じことですが、Σlog(n)の方が判りやすいので、そちらから説明します。

Σlog(n) = n*log(n) - n*log(e) + 1/2*log(n) + 1/2*log(2*pi) + log(e)*{ su(2)/n + su(4)*2/n^3 + su(6)*4!/n^5 + su(8)*6!/n^7 + su(10)*8!/n^9 + . . . . } と書けることは前に述べています。これをベルヌーイ数で書き直すと、

Σlog(n) = nlog(n) - nlog(e) + 1/2*log(n) + 1/2*log(2*pi) + log(e) * { B(2)/2n + B(4)/12n^3 + B(6)/30n^5 + B(8)/56n^7 + B(10)/90n^9 + . . . . } 
となります。

r(r+1)で割る項目が出てくるので綺麗ではありませんが、B(1)がないので、符号の混乱はありません。

階乗も同じことで、n! = (n/e)^n * √(2*pi*n) * e^{ su(2)/n + su(4)*2/n^3 + su(6)*4!/n^5 + su(8)*6!/n^7 . . . . }ということですから、これをベルヌーイ数で書き直すと、

n! = (n/e)^n * √(2*pi*n) * e^ { B(2)/2n + B(4)/12n^3 + B(6)/30n^5 + B(8)/56n^7 .... }
となります。

これは重大な発見です。ガンマー関数とn!は基本的には同じことなので、ガンマー関数もベルヌーイ数で表すことが出来ることを意味しています。

また、これはスターリングの公式のような近似値ではなく、完全にイクオルですから、いろいろな場面で使うことができます。ただし、項数が発散するので、このまま計算すると値が確定しません。そこで工夫が必要になりますが、これについては、以前のページで説明してあります。

ついでにスターリング公式に真似した形で表記すると以下のようになります。
n! = (n/e)^n*√(2*pi*n) * { 1 + 1/12n + 1/288n^2 - 139/51840n^3 - 571/2488320n^4 + 163879/209018880n^5 ...... }

杉本さんの「数学研究ノート」にも同じようなベルヌーイ数を使った式が載っていました。ただ、一部違っているのが気になりますが、おそらく表記法の違いだけだとは思いますが・・・。

(付記)   山口周著「整数論」に同様の式が載っていましたので、「私の発見した式」であることは撤回いたします。


(付記 その2)   ガンマー関数は (x-1)! ということなので、計算上は何も不便はありませんが、複素数計算の式の形を見るとガンマー関数のほうが単純になっていました。実数計算式は階乗のほうが単純ですが、複素数ではガンマー関数のほうが単純であるとは不思議な現象だと思います。ここにその計算式を載せておきます。

Γ(s) = (s-1)! = k(1-s)*(2*pi)^s/k(s)/2cos(pi*s/2)

s! の式と比べると、右辺から s が抜ける分だけ単純になっています。たいした違いではないのですが、これが原因で複素数ではガンマー関数が一般化したのかもしれません。

ちなみに、Γ(s+1) = s!  なので、Γ(i) = (-1+i)! = -0.15494982... - 0.49801566...*i となっています。

Γ(1+i) = (i)! = 0.49801566... - 0.15494982...*i となります。


Σ1/n をベルヌーイ数で表す

Σ1/n は自然数の逆数を総和したものですが、調和級数 とも呼ばれています。この式をベルヌーイ数で表わすことが出来るということはとても面白いことです。

Σ1/n = log(n)/log(e) + 0.577215664... + 1/2n - 1/12n^2 + 1/120n^4 - 1/252n^6 + 1/240n^8 - 5/660n^10 + ... となっていて、su(r)で表記すると、
Σ1/n = log(n)/log(e) + 0.577215664... + 1/2n - su(2)/n^2 - su(4)*3!/n^4 - su(6)*5!/n^6 - su(8)*7!/n^8 ...
となります。これをベルヌーイ数で書き直すと、

Σ1/n = log(n)/log(e) + 0.577215... - B(1)/n - B(2)/2n^2 - B(4)/4n^4 - B(6)/6n^6 - B(8)/8n^8 ...
となります。これについては、B(1)の符号がマイナスなので、全体がマイナスで統一されるとか、r!が消えるなど、ベルヌーイ数での表記のほうが綺麗ですね。




Σn^r をベルヌーイ数で表す

Σ(n^r) は、私が最初に意地になって研究した数列ですが、素人的には取っつきやすいので、高校数学でも事例として取り上げてもらいたいと願っています。Σn^2=1^2+2^2+3^2+4^2+5^2 . . . .、とか、Σn^3、Σn^4 などのことです。
Σn^2=n(n+1)(2n+1)/6、 Σn^3=n^2*(n+1)^2/4であることは必ず習いますが、n^4以上についてはあまり触れられていません。

参考までに書いておくと、
Σn^4=n*(n+1)*(2n+1)*(3n^2+3n-1)/30
Σn^5=n^2*(n+1)^2*(2n^2+2n-1)/12
以下略

右辺が綺麗に因数分解できないので、項数をk(n,r)で表記することにして、以下のように書き表します。
Σn^4=k(4,0)n^5+k(4,1)n^4+k(4,2)n^3+k(4,3)n^2+k(4,4)n
Σn^5=k(5,0)n^6+k(5,1)n^5+k(5,2)n^4+k(5,3)n^3+k(5,4)n^2+k(5,5)n
以下略

こうすれば、k(n,r)だけを表記すれば良いことになります。

k(3,0)=1/4, k(3,1)=1/2, k(3,2)=1/4, k(3,3)=0
k(4,0)=1/5, k(4,1)=1/2, k(4,2)=1/3, k(4,3)=0, k(4,4)=-1/30
k(5,0)=1/6, k(5,1)=1/2, k(5,2)=5/12, k(5,3)=0, k(5,4)=-1/12, k(5,5)=0
k(6,0)=1/7, k(6,1)=1/2, k(6,2)=1/2, k(6,3)=0, k(6,4)=-1/6, k(6,5)=0, k(6,6)=1/42
以下略

これをさらに先まで並べると、ひとつの法則があることが見えてきます。それを纏めたものが以下の式です。
Σn^r = n^(r+1) / (r+1) * { 1 + su(1)*(r+1)/n + su(2)*(r+1)!/(r-1)!/n^2 + su(3)*(r+1)!/(r-2)!/n^3 + . . . . }

しかし、この式はrが奇数、および非整数の時には成り立ちません。どうもおかしいと思い、再度計算してみたところ、厳密にはsu(r)を非整数まで拡張した以下の公式が正しいことが判りました。

su(r) = sin(pi*r/2-pi/2) * 2 / (2*pi)^r * { 1+(1/2)^r + (1/3)^r + (1/4)^r + .... }  もしくは、
su(r) = - cos(pi*r/2) * 2 / (2*pi)^r * { 1 + (1/2)^r + (1/3)^r + (1/4)^r + .... }

これにより、奇数でも、正の実数でも成り立つようになります。
つまり、-r!*su(r+1) を付け加えて、
Σn^r = n^(r+1)/(r+1) * { 1 + su(1)*(r+1)/n + su(2)*(r+1)!/(r-1)!/n^2 + . . } - r!*su(r+1)
となります。

たとえば、Σn^3の場合、先の式に登場する-1/5!という数が3!*su(4)により消えて、n^2(n+1)^2/4という正しい解を得ることが出来ます。

これをベルヌーイ数に書き直すのは簡単です。
Σn^r = n^(r+1)/(r+1) * { 1 - B(1)*(r+1)/n + B(2)*(r+1)!/2!/(r-1)!/n^2 + B(3)*(r+1)!/3!/(r-2)!/n^3 + . . }   - B(r+1)/(r+1)

ただし、B(1)の符号だけが不統一となっていること、などの問題点が残ります。これらの問題はsu(r)の時には生じません。


(r+1)!/(r-2)! 以下のところは、(r+1)*r*(r-1) を意味しているので、(r-1)*(r-2) + . . .    が零になったら終わりになります。少数の場合は、ベルヌーイ数が増加するに従い、ふたつづつ増えるとご理解ください。

ベルヌーイ数でなくk(x)を使うとさらに綺麗に表示できます。誤解の無いように敷衍して表示してみました。
1 + 2^r + 3^r + 4^r + . . . + n^r  =  n^(r+1)/(r+1) * { 1 - B(1)*(r+1)/n + B(2)*(r+1)*r/2!/n^2 + B(3)*0 + B(4)*(r+1)*r*(r-1)*(r-2)/4!/n^4 + . . }   + k(-r)




Σ1/n^r をベルヌーイ数で表す

これについては、すでに知られている式のようですが、私の調べた参考書での説明は短かったので、私なりにここで解説しておきます。

Σ1/n^2 = 1 + 1/2^2 + 1/3^2 + 1/4^2 .... ≒ 1.644934067 = (pi)^2/6 という公式は有名ですが、1/n^r のrが偶数の時はすべてpiと有理数を使って表記することが出来ます。こういう現象は「偶然」と言えるのでしょうか?

それはそれとして、Σ1/n^rについては、すでに説明しているので、ここではさらに以下のように整理した形を紹介します。r=2のときk(r)=1.644934....と表記し、k(r)については、rが奇数の時、それぞれ別途確定させる必要があります。

Σ1/n^r = k(r) - 1/(r-1)!/n^(r-1) * { su(0)*(r-2)! - su(1)*(r-1)!/n + su(2)*r!/n^2 + su(4)*(r+2)!/n^4 + su(6)*(r+4)!/n^6 . . . . } となります。

su(1)だけ符号が逆転しているのが気になりますが、ベルヌーイ数ではこの逆転が解消されます。

Σ1/n^r = k(r) - 1/(r-1)!/n^(r-1) * { B(0)(r-2)! + B(1)(r-1)!/n + B(2)r!/2!/n^2 + B(4)(r+2)!/4!/n^4 + B(6)(r+4)!/6!/n^6 + B(8)(r+6)!/8!/n^8 . . . . . . }
となります。これは非常に綺麗です。





k(r) をベルヌーイ数で表す


ちなみにrが偶数の時、
k(2)=pi^2/6, k(4)=pi^4/90, k(6)=pi^6/945, k(8)=pi^8/9450, k(10)=pi^10/93555, k(12)=pi^12*691/638512875, k(14)=pi^14*2/18243225, . . . . . と並ぶことからも明らかなように、k(r)もsu(r)、B(r)で表記することが出来ます。

k(2)=su(2)*2*pi^2, k(4)=-su(4)*2^3*pi^4, k(6)=su(6)*2^5*pi^6, k(8)=-su(8)*2^7*pi^8 . . . . マイナス符号が交互に付くのは、su(r)に登場するマイナス符号を消すためです。
ベルヌーイ数でも同じことで、
k(2)=B(2)*pi^2*2/2!, k(4)=-B(4)*pi^4*2^3/4!, k(6)=B(6)*pi^6*2^5/6!, k(8)=-B(8)*pi^8*2^7/8!, . . . . .

ベルヌーイ数はあちこちに顔を出します。

ついでに述べておくと、rが充分大きいと、k(1+1/r)=r+eu+......となります。eu=0.5772156..... というオイラー定数です。

また、su(3)=0 になるので、k(3)をsu(3)で表示することは出来ませんが、su(r) = sin(pi*r/2-pi/2) * 2/(2*pi)^r * { 1+ (1/2)^r + (1/3)^r + (1/4)^r + .... } の公式と見比べると、何のことはない、k(r) = 1 + 1/2^r + 1/3^r + 1/4^r ですから、su(r) = sin(pi*r/2-pi/2) * 2/(2*pi)^r * k(r) という公式が先にあることが判ります。k(r)が先にあって、su(r)やB(r)が計算可能になるということなのです。

k(3)=1.202056902604
k(5)=1.03692775514337
k(7)=1.00834927738192
などの値を取ります。ですから、奇数のときは上記の式は成り立ちません。しかし、背後に何らかの法則があるはずです。


(追記)   B(x)を複素数化することができます。その時の式は、B(s)=-s*k(1-s) で、k(s)は計算可能なので、それを用いてB(s)も確定します。k(s)=-B(1-s)/(1-s) とも表記できます。



tan(n) をベルヌーイ数で表す

これについては、すでに前ページで書いているので、同じことになりますが、纏めた結果だけを再述しておきます。

tan(n)=n+1/3*n^3+2/15*n^5+17/315*n^7+.....
なので、これをsu(r)で表記すると、
tan(n)=1*3*su(2)*2^2*n-3*5*su(4)*2^4*n^3+7*9*su(6)*2^6*n^5 . . . . . .
となり、ベルヌーイ数で表記すると、以下のようになります。

tan(n) = 1*3*B(2)*2^2*n/2! - 3*5*B(4)*2^4*n^3/4! + 7*9*B(6)*2^6*n^5/6! . . . .

su(r)のほうが綺麗に書けていますね。

Σ記号で書くと、
tan(n) = Σ[r=1,∞]{ (2^r-1) * (2^r+1) * B(2*r) * 2^(2*r) * n^(2*r-1) * (-1)^(r+1) } / (2*r)! }
となります。






ベルヌーイ数の計算方法、その他の話題



フェルマー大定理の証明にも登場するらしいことはすでに述べています。具体的にどのように利用されているかは知りません。

ベルヌーイ数を計算する方法はいろいろありますが、su(n)の計算では、当然のことながらsu(1)=1/2となってしまいます。B(1)=-1/2となるような計算方法を探さなければなりません。

そういう思いで考えていたところ、以下の式などはどうかと思いつきました。

B(0)=1として、C[2,0]*B(0)+C[2,1]*B(1)=0とおいて、B(1)を求めると-1/2となります。次に、C[3.0]B(0)+C[3,1]B(1)+C[3,2]B(2)=0とおいて、B(2)を求めると1/6となります。次に、C[4.0]B(0)+C[4,1]B(1)+C[4,2]B(2)+C[4,3]B(3)=0とおいて、B(3)を求めると、0になります。
これを次々にやってゆくと、B(n)の数列を得ることが出来ます。

別の書き方にすると、
B(1)=-1/C[2,1]
B(2)=-1/C[3,2]*{1+C[3,1]B(1)}
B(3)=-1/C[4,3]*{1+C[4,1]B(1)+C[4,2]B(2)}
B(4)=-1/C[5,4]*{1+C[5,1]B(1)+C[5,2]B(2)+C[5,3]B(3)}
以下略

それから、ベルヌーイ数は有理数で必ず 分子/分母 で表現できますが、「分母はすべて6の倍数である」との指摘を杉岡氏がしていました。B(1)は例外ですが、それ以外はたしかに6の倍数になっています。ただし、無限大まで調べたわけではありませんから、これが確実ということではありませんが、「かなり正しそう」との印象を受けています。こういう指摘は、誰でも出来そうですが、「コロンブスの卵」と同じで、実際そういう指摘が出来るというのは凄いことだと感心させられています。杉岡氏のHPはすでにリンクしていますが、再度紹介しておきます。

計算というわけではありませんが、
f(n)= 1/ { n*((1/e)^(1/n)-1) } とすると、f(n) = 1 - 1/2n + 1/12n^2 - 1/6!n^4 + ....となります。
f(n)= 1/ { n*(e^(1/n)-1) } とすると、 fn) = 1 - 1/2n + 1/12n^2 - 1/6!n^4 + 1/6!42n^6 - .... となり、これをベルヌーイ数で書き直すと、f(n) = 1 + B(1)/n + B(2)/2!n^2 + B(4)/4!n^4 + B(6)/6!n^6 + ..... となります。

f(n) = 1 + 1/2n + 1/3!n^2 + 1/4!n^3 + 1/5!n^4 + .... とすると、1/f(n) = 1 - 1/2n + 1/12n^2 - 1/720n^4 + 1/6!42n^6 + ..... これはベルヌーイ数で表せます。つまり、
1/f(n) = 1 + B(1)/n + B(2)/2n^2 + B(4)/4!n^4 + B(6)/6!n^6 + B(8)/8!n^8 + .....

f(n) = 1 - 1/2/n + 1/3!/n^2 - 1/4!/n^3 + 1/5!/n^4 - ....とすると、1/f(n) = 1 + 1/2/n + 1/12/n^2 - 1/6!/n^4 + 1/6!/42/n^6 .... となり、これは su(n) になっています。
1/f(n) = 1 + su(1)n + su(2)/n^2 + su(4)/n^4 + su(6)/n^6 + su(8)/n^8 + ....

また、f(n) = 1 + 1/2n + 1/3!n^2 +1/4!n^3 + 1/5!n^4 + .... と定義するとき、 log(f(n)) = log(e) * { 1/2n + 1/24n^2 -1/2880n^4 + 1/181440n^6 + .... }  となります。 su(n)で書き換えると、log(f(n)) = log(e) * { su(1)/n + su(2)/2n^2 + su(4)/4n^4 + su(6)/6n^6 + ..... }  となります。

f(n) = 1 + 1/2n + 1/12n^2 - 1/720n^4 + 1/6!42n^6 - ....  という式は、先に挙げた f(n)=1 / { n*(1-(1/e)^(1/n)) } と同じですが、 log(f(n)) もベルヌーイ数で表せます。
log(f(n)) = log(e) * { 1/2n - 1/24n^2 + 1/2880n^4 - 1/181440n^6 + ..... }  ですから、log(f(n)) = log(e) * { -B(1)/n -B(2)/(2*2!*n^2) - B(4)/(4*4!*n^4) - B(6)/(6*6!*n^6) - ..... }






ベルヌーイ数の増加速度の研究


追加   13/11/28。



ここで取り上げるベルヌーイ数は B(1)=1/2 となっていることからわかるように、su(x)のことを意味しています。B(1)=-1/2 となるようなベルヌーイ数についても分析が必要となるので、それについては、この項目のあとの方で取り上げます。


ベルヌーイ数は振動しながら、最初は減少しますが、10を超えたあたりから徐々に増加を始め、やがて急激に増加します。変化のイメージをつかむために図示してみました。


bern01 の 図
B(x) = sin( pi*x/2 - pi/2 ) * x! * 2 * k(x) / (2pi)^x です。これをそのまま図にすると、枠からはみ出してしまいます。















bern02 の 図
波を打っていることを示すために10倍に拡大した図です。sin(x)があるので、プラスマイナスの変動が生じています。















bern03 の 図
波があるとわかりにくいので、sin(x)をはずして計算してみました。















bern04 の 図 k(x)は x→∞ で1になるので、無視することができます。増加に関係するところだけを計算する式は B(x) = 2x!/(2pi)^x ということで、なります。これを図示すると右図のようになります。

0 から 1 のあたりまで、値がおかしくなっていますが、x→∞で B(x)に重なります。

x! = (x/e)^x * √(2pix) * e^mo(x) で、x→∞で e^mo(x)→ 1 すから、B(x) → 2*(x/2pi/e)^x * √(2pix) ということです










ベルヌーイ数の複素数化

08/11/24   階乗のページからこちらにコピーしたものです。



ベルヌーイ数は従来、正の整数でしか理解されていませんでしたが、k(x)を使うとベルヌーイ数の複素数化も可能となります。Σn^x の一般化の過程で B(x)=-x*k(1-x)  という式を導出しましたが、k(x)が複素数ならB(x)も複素数になります。

B(x)=-x*k(1-x) の求め方は、Σn^x=Σ(1/n)^(-x) なので、左辺のベルヌーイ数表示、右辺のベルヌーイ数表示をイクオールでつなぎ、あとはそれを整理するだけです。つまり、左辺は P=n^(x+1) とすると、Σn^x = P/(x+1) + B(1)*P/1!/n + B(2)*P*x/2!/n^2 + B(4)*P*x(x-1)(x-2)/4!/n^4 +.... -B(x+1)/(x+1)  となります。ただし、ここにはひとつ重大な問題があります。従来のベルヌーイ数理解では B(1)=-1/2 となっています。ところがこれでは上記の式は成り立ちません。su(1)=1/2 に倣って B(1)=1/2 と修正する必要があります。

B(1)は -1/2 と理解した方が便利なこともあるので、B(1)=1/2 と定義することは妥当ではありません。ケースバイケースという説明が判りやすいのですが、こういう非数学的言い方は許されるでしょうか。とにかく、ここではB(1)=1/2 であるとご了解下さい。

左辺本体に -B(x+1)/(x+1) が付加される点については、第5の広場(4)を参照してください。

右辺は Σ1/n^x = k(x) - 1/(x-1)!/n^(x-1) * { B(0)(x-2)! + B(1)(x-1)!/n + B(2)x!/2!/n^2 + . . . }  の x を -x に置き換えたものです。

左辺=右辺 と置くと式の本体部分が消えて、-B(x+1)/(x+1)=k(x) が残ります。これをB(x)について整理すると B(x)=-x*k(1-x) となります。

この式の形を見ればすぐ判ることですが、大雑把に言うと、B(x)とk(x)ではx軸の左右が逆になっていて、B(x)のプラス部分がk(x)のマイナス部分となります。k(x)の実部がプラス方向に大きくなると絶対値が1に近くなるので、B(x)の実部がマイナス部分はその(-x)倍となります。また、k(x)のマイナス部分は波になっているので、B(x)のプラス部分も波になります。


B03の図 B(x)の実部を図にしてみました。虚部は0です。
















k(x)の図 参考までにk(x)の図も載せておきます。

x=0 近辺では xとk(1-x)が打ち消しあって、ひとつの線に繋がります。ちなみにB(0)は上式では計算できませんが、極限値としては B(0)=1 となります。













B06の図 B(a+b*i)は、bの増加とともに波打ちますが、aがプラスだと大きく、マイナスだと小さく波打つようです。













jc05の図 さて、このB(s)にも零点があるので、それを図示してみます。実部が零となる実零線は右図のようになります。















jc08の図 虚零線は右図のようになります。マイナス部分には虚零線はありません。


















jc10の図 これを重ねたのが右図です。青線と赤線の交点が零点となるのはk(s)のときと同じです。

この図の零点を計算してみると、当然のことながらk(s)の零点とまったく同じ値が出てきました。















■      B(1)=-1/2 型のベルヌーイ数


先の分析で取り上げたベルヌーイ数とはsu(x)のことです。su(1)=1/2 であり、B(1)=-1/2 であるとは、繰り返し述べてきたことです。しかし、式として表示するときはsu(x)のほうが綺麗なので、先のような分析になりました。しかし、B(1)=-1/2 型の数式が必要になったので、以下のように分析してみました。

ふたつの数列は、B(1)=-1/2 と su(1)=1/2 以外はまったく同じ数になります。とても不思議な現象です。su(x)に関係した数式になることは間違いありませんが、su(x)を維持しながら、su(1)だけ符号反転させるのですから容易ではありません。こういう場合は強引に処理しなければならないことを以前教えられたので、ここでも強引に考えを進めることにします。少々の無理をしてでもsu(1)だけを変えるやり方は何があるかを考えていると (-1)^x を掛ければよいことに気が付きました。ただし、はたしてこれが正しいやり方かどうかの保証はありません。別の式が見つかるかもしれないからです。しかし、今のところこれしか思いつかないので、しばらくはこれを前提に分析してみて、その結果がどうなるかを見てみることにします。


berb04 の図 そこで、まずは B(1)=-1/2 としたときのB(x)数列の零線図を求めてみました。それは右図のようになっています。

式を再確認しておきます。 B(s) = -s*k(1-s)*(-1)^s です。(-1)^s を付けないB(s)とずいぶん異なる図ができました。リーマンゼロ点の場所は同じですが、零線がおもに縦に走っています。










berb05 の図 b=0の図、つまり実数での図は右のようになります。(0,0)で虚部が方向を変えているのが気になりますが、サイン曲線のまま、右に行くほど減少します。

a=0.5の図は、極端に数が小さくなるので、図示しにくいので割愛します。零線図をみると大体のところはわかります。













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